浜田敬子氏/稲垣えみこ氏 「働く女子と罪悪感」〜 下北沢 B&B 元朝日新聞記者の聴き入る会話

こんにちは。EmiLia( エミリア)です。

以前、Mashing UPというイベントで司会をされていた浜田敬子さんの著書のイベントが下北沢のB&Bであるということ、

さらに元朝日新聞記者の稲垣えみこさんとのおふたりの講演ということで、楽しみにして参加。

開始前30分には、受付に長い列が。

講演会

時間になり、講演がフランクな会話から開始。

おふたりは、朝日新聞の先輩と後輩だったそうだ。

稲垣さんが1987年入社。
浜田さんが1989年の2年差入社で、
ほぼ同じ均等法世代で同じようなご苦労をされていたと。

浜田敬子氏著の「働く女子と罪悪感」の出版は集英社の方からの手紙で実現したのだそうだ。

これまで、浜田さんは自分のこと、ワーキングマザーの大変さを特に語ってこられなかったのだと。

#Metoo運動

しかし、

#Metoo運動も、いわゆる古典的なセクハラの問題。
特にご自身の経験からもお役所はひどい、と。

均等法世代のみなさんが我慢をして、苦労を語ってこなかった、
それを封印していたから、いままで解決せず、
わかいせだいにまで、変わらず、続いている。。。

90年代から「何が変わって」、「変わっていないのか」を可視化するために著書を書かれたと。

セクハラがない?

稲垣さんが入社された時、
まだ「セクハラ」という言葉が存在していなかった。

女性が、接待相手の横に座る、
酌婦として。それが当たり前だった時代。

それが、「嫌だ」ということもわからなかった、

ただ、「社会がこうなんだ」と思っていたと語られる。

そんな稲垣えみこさんのキャリアは高松支局でスタート。
小さな組織で10数人の所属。

桜が咲いている中、歓迎のお花見。

そのあと、場末のスナックでチークダンスをおじさんと踊らされたと。

抱きつかれ、
声にならない気持ち。

「社会人になるということか?」

そんな時代だったから、「セクハラ」という言葉が出た時には感動したそうだ。

なぜなら、言葉が存在しないとそこに「概念がない」

セクハラは、89年の流行語に。

浜田さんも、支局を経て、週刊朝日のご担当の時代に、

官僚からペーパーをもらうために、フランス料理店で待ち合わせだった、そのような時代。

仙台支局時代は、読売新聞の美人の同期が
「お尻触られたから、胸揉ませてこい」と言われたことも。

今では、想像もできない言葉がおふたりからポロポロと。

新聞記者は「ネタを取らないとカス」なんだと。
わたしは、そういうものなんだと知る。

夜討ち朝駆けしなといけない新人時代。

時には、通報されたり、虫に刺されたり。

公務員を取材、守秘義務のため、夜一対一になるしかない。

先輩の退職

浜田さんがショックだったという出来事。

尊敬されていた朝日新聞時代の先輩が、
退職の言葉を社内報で、

「朝日新聞が好きでした。
けれど、私には二足のわらじは無理でした。」

仕事にフィットする人は、プライベートがないケースが多い。
まだまだそんな時代だった、当時。

管理職

浜田さんは、管理職になってから
1995年阪神淡路大震災の取材に手をあげる。

しかし、

雑魚寝、トイレがない中で、女性はNGの時代。

歯がゆい時を過ごし、

911の時にNYに二人とも女性が派遣。

修羅場に女性が行ける時代になったと。

(少しづつでも)時代は変わってきている。

発想の転換

稲垣さん曰く、「どうせ」という期待されていない部署は、逆にやりたい放題できるのだと。

発想を転換すれば、世界の見え方が変わる。

大きな軸は浜田さんも板垣さんも似ているが、
細かいところで考え方、対応のアプローチなど、
意見に相違があるのが、聞いていて楽しい。

それを受け入れる包容力がある笑顔のおふたり。

会社に属するということ。

「会社の正義」と「個人の正義」

浜田さんは、「会社にいるのがしんどい」と思いながら、まだいるのだと。

稲垣さんは、お世話になった「朝日新聞を救う使命感」で1年間の恩返しをして退職されたという。

会社と自分が一致しないのは当たり前、
会社は儲けないといけない。

会社の寿命、自分のフィットする寿命がある。

会社が、ずっと依存する対象だと辛い。

人生のいっとき修行するに場所、
落語家の真打ちになる前の修行のようなものと思えば気が楽になるはず。

一揆主義

稲垣さんがいう「一揆主義」

「こうだ、おかしい」と言い放つだけでは、物事は何ひとつ変わらない。

稲垣さんは、社内で思いを通すため、政治をしたそうだ。

反しての浜田さんは 正面突破派。

その彼女が、

「正しいことが通るとは限らない」

「みんなの前で男の人に恥を書かせてはいけない」

会議室だけでは決まらない。

一歩の歩み

稲垣さん曰く、「結果出すと、変化が起きる」

一揆主義は「あいつはそういうやつ」で終わる。

横のネットワーク、後輩をてなづけることも一つの手段。

稲垣さんが、「下の世代から支持されている」と上の人の反応は違うのだと。

稲垣さんは、会社の時代が終わったという。

高度成長期のベストなシステム、それを維持し続けている。

息苦しさ

多くの女性が抱える息苦しさ。

しかし、「会社=仕事」ではない。

人に喜んでもらう、必要とされる。

本気は、苦しい。

でも、仕事にしかない楽しさ、ワクワク感、他にないことも事実。

仕事が好き

女性が「仕事好き」と言える世の中にしないと。

浜田さんは、フリーランスになろうこと思いつつ、会社というよりチームが好きで、転職。

朝日新聞時代、3/8の「国際女性デー」をターゲットに女性社員が隠密行動。

紙面とるという行動を、上の人に提案することを勝手出る。

しかし、

思った以上に、通すのが大変だったとの逸話。

「とてもいい企画だと思うけど、反対するひとが多いから」

と、人ごとのように。

男性がビビる中、紙面の広告をとって、責任を取って、
実現させたエピソードを。

これまでの男性マネジメントはオレオレ型、
女性は「女神型」

女性共感力、話すをするしかないコミュニケーションで女性はマネジメントに向いていると。

楽しい中で、あっという間に講演時間がすぎる。

何が正しいもないけれど、
浜田敬子さんと稲垣えみこさんの存在が、今日の私の存在を認められたような?
そんな心と体が軽くなった師走の夜でした。

EmiLia

この記事を書いた人

EmiLia

一部上場企業に勤めるアラフォー女性管理職。

2度の駐在経験の後、商品企画を長く担当して、いまは、同じ社内でもカルチャーが全く違う管理部門で日々奮闘中。

「仕事」も「プライベート」も、どちらもあきらめない。

仕事でのアウトプットはしっかり出し、キャリアも積みながら、
プライベートにもフォーカスして、食や旅、学び、美・健康など、毎日ブログを更新。

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