【比叡山】延暦寺 非公開「大書院」〜 書院造りの登録有形文化財

こんにちは。EmiLia( エミリア)です。

数週間前に訪れた比叡山、その際に、通常は非公開であるけれども、特別にご案内をいただけた大書院。

延暦寺の御朱印巡りの記事はこちらから。

大書院

お昼の大書院。

入り口はあるけれど、普段公開されていない。
今回は、特別に許可をいただき、案内をしていただき、そして写真撮影も許可をいただいております。

ご住職がイベント参加者向けにご案内をしていただける。

大書院は、昭和3年に東京から移築された建物。

比叡山は御所の鬼門。

昭和天皇御大典記念と比叡山開創1150年の記念事業として、購入されたと。

迎賓館のようなものが当時なかったからと。

移築された門。

大書院は総檜で、解体し移築されたと。

門は、仁和寺の勅使門をコピーと言われる。
解体せずに神輿のようなかたちで、のべ2万人が、山道も1時間かけて運ばれたそうだ。

“明治の煙草王”村井吉兵衛の旧邸宅を移築したものです。設計は武田吾一で
元々は個人の家。

大正時代、国産で初めて紙巻の国産タバコを手がけ、
煙草王と称された村井吉兵衛の邸宅。

100社ほどあったタバコの会社が公社に。

設計を手掛けた武田吾一さんは、
八坂神社近くにある長楽館は同じく村井吉兵衛の家。

大書院は当時の金額で130万円。
現在の価値に換算すると100億円。

東京で3つあったが、残る邸宅は戦争で焼けたそうだ。

大正15年に大恐慌で、邸宅が手放されることに。
昭和2年に競売に。
内閣官房長官から鬼門封じの寺の比叡山。
朝廷からの援助、皇室と結びつきがある寺。

昭和3年即位の行幸で、京都御所を訪れることが決まっていて、打診を受けたのだと。

9万円の価格。
今でいう10億円の買い物を1週間で回答せよとのことだったそうだ。

書院内

中を案内される。

檜の透かし彫り。

純和風とこの照明。
和洋折衷。

ランプの中はLEDだそうだけれど、
繊細なガラスの取り扱いは気をつけられるそうだ。

応接間

床の間が高くなっている。
それは、椅子にかけている高さから見劣りしないようにとのこと。

襖絵は、特注のタバコ。
銀細工。

銀は定期的にメンテナンスが必要で、維持費が高い。
金よりも財力を見せつける素材だったそうだ。

三つ葉柏。
柏の絵。

旭光の間

金箔、間接照明。
これが100年前からというからすごい。

二条城の黒書院のコピー。

奥の間は大広間。

武者隠しの間。
織り上げ天井。

床の間。
絨毯をめくられると。

三畳の畳。
普通であれば、1畳が3枚で、
へりが3つになる。

下に忍びがいたら、下からブスッと刺される。

3畳だから、ヘリが太くなっている。

借景

広間の隣には、ガラス戸。
琵琶湖を池に見立てた借景。

このガラスはベルギー製の特注。
姿見用の平らなもの。

当時の価格で1枚が車1台分の価格だそうで、
それが36枚も贅沢に使われている。

そして、1本の木が。
節がない、通し長押。

■長押とは?

桐の間

桐の間。桐の材を使っている居間に使用されていたところ。

蚊帳のフックがあるところが生活を感じる。

文机。
こちらから床の間に入れる。

床の間が小さくなり、遠近法。
ヘリが2本。

棚は、醍醐寺の三宝院のように、
手前に出すことにより宙にういたようになり、
奥にいくほど下がる。

このように段差がある。

横からの角度。

こちらは反物を貼られたもの。
向い鸚鵡の柄。

宮中に奥様が仕えていたさい、昭憲皇太后から授けられたものを貼っているとのこと。

春日杉、一枚板。

色紙も皇后からいただいたものだそうだ。
(それを貼れるのは、なかなかないことだそうです。)

廊下にある丸太。
北山杉。
節がない8軒、10m以上の長さ。

比叡山の御用品として、運ぶ際は2つの貨物列車を連結して運び、さらに竹竿で往復してトライしての本番の輸送だったと。

しかも、被せたシートを人が抑えながら移動したということで即位に関連する一連の行幸のため、関わる方の真剣さがすごい。

なのに、邸宅の奥にあり、誰に見せわけでもない。
富豪ならではの見せ部分へのぜいたく。

こちらも柄が素敵なランプ。

部屋の隅々まで、見どころがある。

廊下は、畳と板のと。

当時、女中さんは、板の間を歩くようになっていたとのこと。

2Fにあがり、女中さんのお部屋。

窓際に、化粧台に使っていた高さ。

赤松の部屋。

屋久杉の一枚板。
桂離宮を模していて、桐の床柱。

釘隠しがタバコで、こちらも煙草王ならでは。

襖絵。
ボストン美術館にも飾られている曾我蕭白の作品。

襖の4枚の絵は、比叡山のここのみということ。

今年か来年に修復予定であり、このように観れるのは、とても幸運だと知らされる。

最後に、2Fの和室。

ランプ。

1Fに降りる。
「長楽館」の案内のパンフレット。

つづいて、飾られている書についての説明。

貧寒湿論

「貧寒湿論」、こちらは比叡山を特徴を現す4文字だそうだ。

「論」は、論議、ディベートをし、研鑽を深めるという意味。
学問が大事ということ。

「湿・寒」は、比叡山の自然環境の厳しさ。
標高800メートル、湿度が高い、
冬は寒い。

下の世界より5度低いそうだ。
今年は暖冬だけれど、冬のお勤めをしていると水がみるみる凍るのだそうだ。

「貧」は、清貧。
質素倹約であれという意味。

「ろんしつかんぴん」と読むのだそうだ。

一連の説明を受けて、
入り口に戻ってくる。

ご案内が終わったら、すっかり暗くなっている。

宿坊の横にたたずむ大書院。

いろんな歴史と移築に伴うストーリーがあることを教わる。

非公開の大書院を観れる機会も少ないと思いますので、
記事の内容がご参考になれば。

■合わせて読みたい

EmiLia

この記事を書いた人

EmiLia

EmiLia

一部上場企業に勤めるアラフォー女性管理職。

2度の駐在経験の後、商品企画を長く担当して、いまは、同じ社内でもカルチャーが全く違う管理部門で日々奮闘中。

「仕事」も「プライベート」も、どちらもあきらめない。

仕事でのアウトプットはしっかり出し、キャリアも積みながら、
プライベートにもフォーカスして、食や旅、学び、美・健康など、毎日ブログを更新。

詳しいプロフィールはこちらから。